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戦う日本人企業家のための
勇気百倍・元気の出るWEBLOG
2010/10 初掲載
中国人に「家族・身内」の一員として迎え入れられることは、光栄である一方、厄介を背負うことでもあります。
中国人的「自己人・自家人(身内、内輪の人、ごく親しい間柄)」の関係においては、「キミの成功はボクの成功」です。この(日本人的にはたかりと思える)精神には驚かされますが、中国人のアイデンティティともいえる家族主義を考えれば、ごく当然のことなのです。
強烈な血族意識が支配する中国では、出世した人は、一族によくしなければなりません。よく、テレビや炊飯器を大量に持ち帰る中国人観光客がいますが、あれは親戚縁者の分です。親戚一同から借金して留学してくる中国人は、一族の希望と期待を背負っています。家を買うために、兄弟姉妹夫婦一同からお金を提供してもらうこともよくあることです。
中国の企業は、資金繰りに困れば、「外人(赤の他人、グループ外の人)」である日系企業への支払いは踏み倒してでも、身内の企業へは支払おうとします。身内の関係においては、成功も共有すれば、困ったときは助け合うという相互扶助の作用も徹底しています。このように、中国人にとって大切なのは、個人であれビジネスであれ、あくまでも血縁あるいは身内であり、彼らは常に内輪の世界に生きているのです。
ですから、中国人に頼りにされるようになれば一人前といいますか、名実ともに「自己人」として認定されたということですが、同時に、中国人の家族関係は常にお金とセット、という家族主義をいやでも味わうことになります。