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中国ビジネスマナー入門 2010 その23 飲み方の心得(お酒に呑まれやすい日本人) May 3, 2017 (Wed)

2010/10 初掲載

中国人とのお酒の席で、ひとつ気をつけなければいけないことがあります。それは、決して酔っ払ってしまってはいけないということです。

お酒と言えばアルコール度数の高い白酒を好んで飲んできた中国人は、日本人より断然お酒に強く、白酒を「ぐいっ」と何杯空けても、あまり酔っ払いません。けれども、困ったことに、ふだん蒸留酒をストレートで飲むことなどなく、体質的にもアルコールに弱い日本人は、泥酔や急性アルコール中毒の危険があるのです。ですから、健康上の理由からも、空腹でお酒の席に臨まない、ビールとチャンポンしない、白酒を飲んだらソフトドリンクで水分を摂る、といった自衛策をとることが必要です。

お酒を飲むときは、相手を誘って乾杯とともに飲むのが普通です。また、誘われた乾杯を断ることは失礼になります。中国人は、なにかと楽しい理由をつけては乾杯をします。干支が同じとわかると乾杯、趣味が同じと言っては乾杯、また、円卓のターンテーブルをクルクル回して止まったときに、大きな淡水魚の頭の指す方向にいる人が飲み干すなど、ゲームのように果てしなく乾杯が続きます。こうして、そのまま中国人のペースについていきますと、すっかり酔っ払ってしまうというわけなのです。

声が大きくなる、相手に絡み出す・・・こうなってしまっては、せっかくの宴会=本音の商談も台無しです。中国では、お酒の席での非礼に対しては日本のように寛大ではありませんので、だらしない人間だとの烙印を押されかねません。宴会は飲むことが目的なのではなく、お互いを理解し合うため、本音の語らいをするための土台作りであり、相手の気持ちを解きほぐすストレッチのようなものです。ですから、決してお酒に呑まれてしまってはいけないのです。

最近の中国の宴会、特に若い人たちの間では、白酒を敬遠しビールでの乾杯もするようになりました。けれども、やはり中国の宴会でのお酒は要注意です。お酒の飲めない人や酒が飲めても強くない人は、「飲めない」で通したほうがいいでしょう。その一方、場を盛り上げるには飲める人もまた必要です。その際、飲めても酒癖の悪い人や無茶飲みをしそうな人は、下戸ということにして最初から飲ませず、中国人並みに強い人がいなければ、お酒の味や楽しみ方のわかる人を用意することです。それもまた、中国側に喜ばれるのです。

つづく