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中国ビジネスマナー入門 その19 懐の深い国 January 28, 2017 (Sat)

2000/12 初掲載

俗に人治国家といわれる中国ですが、中国にも当然法律はあり、明文化が間に合わないほどの勢いで改正されていきます。中国で企業する場合も、それに関する法律はもちろんしっかりと定めれています。コネさえあれば大丈夫とばかり法の目をくぐりぬけようとする人もいますが、それは間違いです。正攻法でいくことが結局は成功への早道なのです。

しかしながら、法をしっかりと見据えたうえで、法に触れずにより良い対策を考えることを知恵として受けとめてくれる懐の深さが、中国にはあります。極端に言えば「できない」は「できる」に通じる、常に可能性を探ってみる価値がある、それが中国なのです。

また、相手と対等の立場でなくても、こちらが相手に与えるものを持たなくても、人間としての感覚や波長が合えば、ときとして受け入れられ、立場や地位を超えて結びつくことがあります。そういうところにも中国の懐の深さが感じられます。

厳しく複雑な歴史と向かい合ってきたためか、中国人はものごとの本質を見抜き、本物を見極める目がとても鋭く、肥えています。あるいはなにが本物であるかを知っています。彼らは、相手の目と顔つきからだいたいその人間がわかると言います。ですから、中国人から信頼を得るためには、こちらがまずそれにふさわしいものを備えていなければなりません。表面的な、あるいは付け焼き刃の人間性は見破られてしまいます。

結局のところ、中国でビジネスすることは、どのような場合にも人間性の勝負なのです。そしてそれがまた、中国でビジネスすることの醍醐味でもあります。そのことを自然のうちに感じ取ることのできる人は、中国で生きることにある種の「自由」を感じるでしょう。

つづく