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中国ビジネスマナー入門 その16 日中戦争の影 January 25, 2017 (Wed)

2000/12 初掲載

戦争の責任は一般個人にはありません。ましてや戦後生まれの人間がそれを問われるのは理不尽なことでしょう。けれども、日本人が中国でビジネスをする限り、日本人として日中戦争の責任の一旦をそれぞれが背負うというぐらいの覚悟と気持ちを持つ必要があると思います。またそれは中国だけでなく、過去に日本の行為で傷ついた国すべてに対して同様に言えることでしょう。

日中戦争に関する中国人の認識は、体験者である年配者だけのものではありません。現在30代の半ばぐらいの中国人なら、日本軍の残虐行為と日本人の野蛮さ・卑劣さについて徹底的に教育されており、それは彼ら自身が振り返って洗脳だったと言うほどの深さと激しさを持っています。中国の学校では、現在も日本が中国を侵略したことが繰り返し教えられています。日中戦争を過去のこととするのは、日本人にとって都合のいい、勝手な解釈なのです。

日中戦争に関しては様々な論議があります。けれども、どのような角度から見ても日本に非のあることは否めないと思います。少なくとも、中国人が日本に攻め込み一般民衆を虐殺した過去はないのです。私たちがなにを言おうと、中国人がいまなおその影に傷つき生きていることは事実なのです。私たちは過去にしてしまえても、彼らにとってはけっして過去ではありません。

中国人にとって政府は絶対的な存在です。その中国にあって、政府と個人は無関係、過去は過去のことという日本人の態度・姿勢は、個人対個人、会社対会社の行き違いを国対国という摩擦や争いにまで発展させます。私たちがその歴史の後に生まれたのだとしても、日本人である限り、日本人として中国人の傷痕にデリケートな気持ちで接し、同時に現在の私たちは、ひとりひとりが政府とは独立した自由な意思で行動していることを理解してもらおうと努力することが大切だと思うのです。

外国でビジネスをすること、あるいは外国で生きることは、それぞれが日本という国・歴史・文化を背負うことでもあります。たったひとりの日本人を通して、彼らは日本を見るのです。

つづく