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ミャンマー3空港入札敗退、「親日」が好きなひ弱なニッポン その1 August 14, 2013 (Wed)

日本が落札して当然!みたいな雰囲気だったけど

2013年8月13日付けのYOMIURI ONLINEの経済面、「ミャンマー3空港国際入札、日本勢受注は1か所」のニュース。日本勢が落札できたのは中部のマンダレー国際空港(総事業費60億円、事業年数30年)のみで、最大都市ヤンゴン国際空港は、地元資本と中国の企業連合に破れ、新設のハンタワディ国際空港(総工費1,000円億円、総事業費2,000億円)は、韓国勢などの企業連合に敗れたそうです。

おそらく、ですが。日本勢は、予想外の結果に終わったとことに、なぜ?の気持ちを拭いきれないでいることでしょう。裏切られたような気持ちでいっぱいでしょう。けれども、そう不思議なことではありません。ある程度予想されたことです。

笑顔の国

軍事政権時代の2003年に仕事で訪れて以来、実はウチは、ミャンマーとは細く長く関係を続けています。仏教の国だけあって人々は穏やかで親切、その笑顔は人なつこく、お寺でおそわったらしき日本語を話す人もたくさんいます。一歩仕事を離れれば普通の人たちである軍人も、アジア英語の弁護士さんも、大学の先生兼タクシー運転手のおじさんも、街で出会う人も、とってもフレンドリーです。日本人であれば、きっと誰もがミャンマーを好きになるでしょう。非常に魅力的な国です。繰り返し訪れたい国です。

笑顔の裏の混沌

けれども、私たちが目にすることのできるミャンマーは、ほんの一面です。そこではいまも民族同士の争いがあり、奥地の村では虐殺事件があり、ヤンゴンでは少数民族の店が夜な夜な襲われたりしています。難民として国外に出た人の一時帰国は徐々に許されるようになってきましたが、言論の自由は保障されていません。スー・チーさんを平和と民主化の清々しい象徴としか見ないのは短絡的です。

ミャンマーは、インフラや社会基盤が整備されていないだけでなく、政権の安定性も社会情勢もまだまだ予断を許さない状況にあり、日本人には踏み込めない複雑な問題と闇をいくつも背景に抱えています。また、軍事政権をいち早く認めた日本への政治的な思惑もあって、政府により演出されてもきた「親日」は、一方では、商売となったら利益を優先するしたたかさや、なにを考えているのかわからないつかみどころのなさも持ち合わせています。親日を信じて心をオープンにしても、民衆が、実際に日本にどこまで心を許しているのかはわかりませんし、単に素朴なだけではありません。外国人がひとり地方出張できるほどの治安も確保されていないでしょう。要するに、可能性とともに危険性もまた未知数であり、まだまだ中小企業が単独で進出できる状況にはないのが実情です。

2013年6月には、ヤンゴン日本人商工会議所の会員企業が100社を突破しましたが、そういった表面的な数値だけでは判断できないのは、ミャンマーも例外ではありません(参考: 2003年9月時点で70社)。

つづく