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難民認定 偽装申請 「人道・友好」大好き日本 またもやミャンマーに一杯食わされる その4 February 12, 2015 (Thu)

ミャンマーの共犯は逃亡済みだった

事件の共犯であるミャンマーの送出し機関とはすでに連絡が取れなくなっているそうですが、十年先の利益を考えるのが当たり前の日本人から見ても、目先の利益しか見えない中国人から見ても、呆れるほど短絡的でずさんなミャンマー、少し先の利益もいらないようです。なにを考えているのかわかりません。

目くそ鼻くそ比べてみる

中国はモラルゼロ、わいわいとウルサイ国ではありますが、「大地の子」に象徴される人情のあることだけは確かです。東日本大震災のとき、中国人実習生たちを無事逃がすため、命を落とした日本人。助けられた彼らはいまもその恩を忘れず心に刻み過ごしているそうですが、淋しいだろうと、社長さんがディズニーランドにまで連れて行ってくれた派遣先を稼ぎ目当てで逃亡したミャンマー実習生には、その情は通じなかったということでしょう。

懐かしいミャンマーにまた行きたいなぁ・・・とたびたび夢想しつつ、ミャンマーをはじめとする戦火、抑圧や軍事政権をくぐり抜けてきた東南アジアには、笑顔の奥にある、日本人には計り知れない混沌としたものが横渡っているように思えてなりません。いいなぁと感じることと、その国の思考回路がわかることは別物です。国には裏と表があり、国と国の関係には、常に光と影があります。

駆け引きはアジアが一枚も二枚も上手だった

来日のためだけに利用された実習制度。完全にナメられていた日本、というわけですが、今回は、日本人が勝手に感じている親日、ミャンマーをはじめとするアジアの一皮むいた姿をうかがい知るよい機会となりました。ビジネスは仲良しごっこではありません。国と国を跨げば、そこは駆け引きや騙し合いが日常茶飯事です。「親日」への期待をアジアとのビジネスの拠り所とすることによるリスク、そろそろ考えたいものです。

難民認定申請について入管法が改正された2010年といえば、「東アジア共同体」構想が語られ、まさに「友愛外交」が展開されてようとしていました。仲良くしようと言ったとたん、相手国に強く出られる、足下を見られる、裏をかかれる、一杯食わされるのが、国際社会の現実だったのです。

実際問題として、難民認定申請を行ったとしても、難民であることを立証・審査するのは非常に難しいことです。認定申請の激増により心配されるのは、入管当局の処理能力にも限界があり、偽装申請の陰に本物の難民が埋もれてしまったり、長期間身分が不安定なまま在留しなければならない事態になることです。どうも日本は、仲良しごっこと人道との区別もつかないようですが、難民救済のあるべき姿に立ち返る時期に来ているのではないでしょうか。

※ちなみに当JiBizでは中国とベトナムの実習生派遣機関と提携しております。国による日本側受入企業の費用負担には差がないため、ミャンマー等の実績のない国の派遣機関からの招聘は、逃亡等のリスクから見合わせております。