中国の実習生を例に技能実習制度の実際を解説してみる
当JiBizでは、業務のひとつとして、技能実習生の受入をトータルで手がけています。一次受入先である組合設立(コレ、行政書士業務)から、派遣元とのコーディネート、入管へのビザ申請(コレも行政書士業務)、事業全体の管理まで。
そのため、中国やベトナムの複数の派遣機関とやり取りがあるのですが、なんでも自分の目で見て確かめることを方針とする私たちは、派遣元を視察、トップと話し、また、実習生候補者の学習の様子を見学し、懇談し、ときには候補生と同じテーブル・メニューで食事して探りを入れる(笑)こともあります。そして、実習生に対する管理・指導体制も含め、コラボするにふさわしい派遣元とのみ仕事を進めます。
演出もあるだろうが、日本の高度成長期の「金の卵」を見るよう
中国の派遣機関研修センターの教室には、たいてい「日本で働いて、豊かになろう!成功しよう!」のようなストレートな横断幕が掲げられています。一定期間センターで集団生活をしながら事前研修を受ける候補生たちは、言葉や生活習慣、マナーなど、派遣先の国のことを学ぶとともに、身体を鍛錬し、技術についても研修を受けます。真冬でも暖房設備がない教室もあり、薄暗い宿舎の粗末な二段ベッドだけがプライベートスペース、そこには、色とりどりの衣服やタオルが、未来の夢を描くようにぶら下がっています。
集まってくる候補生は、豊かとはいえない地方家庭の20代が中心ですが、たいてい高校は卒業しています。中には既婚の30代の場合も。いずれにしても、派遣元に対して、「それでモト取れるの?」ぐらい保証金などを払って来日するのであって、決して貧乏のどん底ではありませんし、追い詰められてもいません。他国も同様のはずです。
実習生の逃亡は派遣機関にとって死活問題
中国の技能実習生の逃亡はよくあることですが、組織的なニセ難民認定申請は聞いたことがありません。また、以前は多発していた実習生の逃亡問題も、最近は改善されています。派遣元はもともと地方政府の肝いり機関であることが多く、実習生の海外派遣は中国国務院に属する商務部の国際交流事業なのですが、自社の送り出した実習生が問題を起こせば、次は許可が出ません。ですから、派遣元トップが毎月実習生を労いに来日したり、日本国内に相談窓口を置いたりなど、実習生の管理には注力しています。商売を長く続けるための秘訣、商売繁盛のコツを、中国の派遣元は苦い経験から学んできたのです。
かつて日本で研修で学んだ人たちが活躍する姿
私たちが見学に行けば、軍隊のように礼儀正しく出迎えてくれ、言葉を交わせば初々しく清々しい彼ら。帰国後はどうしているのでしょう?
元の職場に復帰して重要な仕事を任されたり、お世話になった派遣機関に雇用されたり、日系企業に勤めたり、人によっては起業したり、さらには、大手日系企業と取引する優良会社にまで発展させるケースも。あの上海万博の日本関係のパビリオン、そのいくつかは帰国した研修生仲間が起業した現地建設会社が施工(下請)したものと聞いています。彼らの目標は、いつだって「成功」です。
つづく
中国の実習生を例に技能実習制度の実際を解説してみる
当JiBizでは、業務のひとつとして、技能実習生の受入をトータルで手がけています。一次受入先である組合設立(コレ、行政書士業務)から、派遣元とのコーディネート、入管へのビザ申請(コレも行政書士業務)、事業全体の管理まで。
そのため、中国やベトナムの複数の派遣機関とやり取りがあるのですが、なんでも自分の目で見て確かめることを方針とする私たちは、派遣元を視察、トップと話し、また、実習生候補者の学習の様子を見学し、懇談し、ときには候補生と同じテーブル・メニューで食事して探りを入れる(笑)こともあります。そして、実習生に対する管理・指導体制も含め、コラボするにふさわしい派遣元とのみ仕事を進めます。
演出もあるだろうが、日本の高度成長期の「金の卵」を見るよう
中国の派遣機関研修センターの教室には、たいてい「日本で働いて、豊かになろう!成功しよう!」のようなストレートな横断幕が掲げられています。一定期間センターで集団生活をしながら事前研修を受ける候補生たちは、言葉や生活習慣、マナーなど、派遣先の国のことを学ぶとともに、身体を鍛錬し、技術についても研修を受けます。真冬でも暖房設備がない教室もあり、薄暗い宿舎の粗末な二段ベッドだけがプライベートスペース、そこには、色とりどりの衣服やタオルが、未来の夢を描くようにぶら下がっています。
集まってくる候補生は、豊かとはいえない地方家庭の20代が中心ですが、たいてい高校は卒業しています。中には既婚の30代の場合も。いずれにしても、派遣元に対して、「それでモト取れるの?」ぐらい保証金などを払って来日するのであって、決して貧乏のどん底ではありませんし、追い詰められてもいません。他国も同様のはずです。
実習生の逃亡は派遣機関にとって死活問題
中国の技能実習生の逃亡はよくあることですが、組織的なニセ難民認定申請は聞いたことがありません。また、以前は多発していた実習生の逃亡問題も、最近は改善されています。派遣元はもともと地方政府の肝いり機関であることが多く、実習生の海外派遣は中国国務院に属する商務部の国際交流事業なのですが、自社の送り出した実習生が問題を起こせば、次は許可が出ません。ですから、派遣元トップが毎月実習生を労いに来日したり、日本国内に相談窓口を置いたりなど、実習生の管理には注力しています。商売を長く続けるための秘訣、商売繁盛のコツを、中国の派遣元は苦い経験から学んできたのです。
かつて日本で研修で学んだ人たちが活躍する姿
私たちが見学に行けば、軍隊のように礼儀正しく出迎えてくれ、言葉を交わせば初々しく清々しい彼ら。帰国後はどうしているのでしょう?
元の職場に復帰して重要な仕事を任されたり、お世話になった派遣機関に雇用されたり、日系企業に勤めたり、人によっては起業したり、さらには、大手日系企業と取引する優良会社にまで発展させるケースも。あの上海万博の日本関係のパビリオン、そのいくつかは帰国した研修生仲間が起業した現地建設会社が施工(下請)したものと聞いています。彼らの目標は、いつだって「成功」です。
つづく