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ミャンマー3空港入札敗退、「親日」が好きなひ弱なニッポン その3 August 18, 2013 (Sun)

親日国ミャンマーは中国より簡単だと、日本人はタカをくくっています。中国でうまくいかなかったのは、中国が親日でなかったからだと。反日のせいだと。けれども、この未知の国に比べたらこちらの知識・経験・情報もよほど多く、ビジネス環境もそれなりに整備され、ヒト的にもわかりやすい中国さえモノにできない日本に、なぜ親日という理由ぐらいで、この国を思うようになどできるでしょう。そうするには、日本人はこの国を知らなさすぎます。

東南アジアは「親日」なのか

東南アジア全体がそうです。過去の侵略もあり日本に対する思いは複雑で、いつなんどき爆発するかわからないマグマを内包しています(1974年のインドネシアのマラリ事件など)。日本は、中国をどこかで蔑視しながら、日本人村からしかあの国を眺めることができなかったように、東南アジアが親日であってほしいその奥底には、支配にも似た傲慢さと甘えの気持ちが潜んでいるのです。

マスメディアの変わり身の早さ

それまで中国進出を煽りに煽ってきたNHKや日経。反日暴動後は、掌を返したように中国叩きに転じた変わり身の早さには呆れるばかりですが、彼らの犯した大罪は、日本企業の目を、絶好のタイミングで台頭してきたミャンマーやカンボジア、ベトナムなどの東南アジアに逸らすことで、ほとんど国民に気づかれないうちに隠滅させることに成功しました。それは、ある種の大手企業にとってもラッキーなことでした。ブームに乗って中国ビジネスを始めたものの、反日にすっかり疲弊していたところへ新ブームの到来、事実上の失敗状態を、時代の最先端という大義名分に摩り替えることができるうえ、「親日」のオマケつき。マスコミと企業の思惑が見事一致し、相互に助けられたわけです。

「親日」への依存症

けれども、ミャンマーをはじめとした東南アジアは、人はまぁるくても、ビジネスにおいてそんなに私たちにやさしい国々ではありません。日本人が思う以上にクールかつシビアです。日本人は、親日と見ればなかよくビジネスできる、優遇されると思っています。ミャンマーを一番想っているのも日本、援助してきたのも日本、ミャンマーは中国なんて本当はキライ、だから、彼らは自分たちを選ぶだろうと。けれども、それこそが落とし穴なのであって、携帯事業に続き空港入札の惨敗で、ようやく目が覚めたというわけです。

親日とビジネスはくっつきません。別物です。それなのに、親日でないとビジネスできないというのは、いかがなものでしょう? そこに市場があるから行く、そこに需要があるから行くのであって、そもそも、ビジネスはなかよくやる必要なんてないのです。

演出された「親日」に惑わされて、無条件に債務免除やODA倍増なんて甘い顔するから舐められるわけで、負けたあとで「したたか」「食い逃げ」「ひどい仕打ち」って、「負け犬の遠吠え」ではないでしょうか? 取引相手を善意ではなく悪意でとらえるのは、欧米の予防法務では常識です。ビジネスは、喰うか喰われるかの真剣勝負。したたかで当たり前では? この分では、強い国ニッポンも、ニッポンのグローバル化も、絵に描いた餅かもしれません。