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井戸を掘った人を忘れないのは、毛沢東が掘ったときだけ—コレ中国ビジネス的鉄則也 March 27, 2014 (Thu)

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国の外のことになると、急にお人よしになるのが日本人。(中国人は)「井戸を掘った人を忘れない」などという言葉にコロリとだまされて・・・

使えるものは使うあるヨ

第二次中国ブーム草創の頃のお話。日本人Kさんが、とある中国A市外資誘致局より、初めての投資説明会を東京で行いたいとの相談を受けました。KさんとA市外資誘致局の職員が懇意で、少し前よりA市の外資誘致局の日本事務所を無償で引き受けていた関係だったのです。

中国の地方政府の考えることはほぼ一緒で、すぐに成功した地方政府の物まねをしますから、日本企業誘致で出遅れたA市には焦りもあったのでしょう。ただし、問題がありました。予算が絶望的に少ないのです。

普通、都内のホテルを会場とし、日本国際貿易促進協会等に協力を依頼してそれなりの投資説明会を行えば、150万円以上の予算が必要です。けれども、予算は20万円ほどでした。

トホホなことに、中国A市職員の面子を保つため、Kさんには、「それは無理」と断る選択肢はないのでした。建設会社のオーナーでもあるKさんは、交渉の末、見栄えのする低廉な会場を手配し、自社のつながりを生かして、公的団体や銀行、企業の協力を得て参加者を募り、盛況ともいえる投資説明会の開催にこぎつけました。もちろん、すべて手弁当です。

A市の知名度がまったくゼロのときに、A市を日本デビューさせたKさんは、A市にとっては「井戸を掘った人」であったわけです。

さて、翌年。Kさんが奔走した投資説明会の大盛況に気をよくしたA市では、2回目の投資説明会を行うことになったのですが、さて、Kさんは・・・

投資説明会を予算たっぷりで任された→イイエ
主催・共催としての立場で参加した→イイエ
投資説明会に招待を受けた→イイエ
投資説明会の開催通知をもらった→イイエ
まったく無視された・・・→ハイ

いらなくなったら捨てるあるヨ

第2回の投資説明会開催を風の便りで聞きつけたKさん。「一応、A市の外資誘致局の日本事務所だし」「また予算がなくて大変かも」と思い、投資説明会の受付でも手伝おうと、会場となった都内のホテルに行ってみたのでした。

受付で、「A市外資誘致局 日本事務所 代表」の名刺を出したところ、受付嬢から「あなた誰ですか?」と返され、お金のかかったであろう投資説明会の会場を見て、Kさんはすべてを知ったのです。

今回は、日本での投資説明会に多額の予算がついたのでしょう。懇親会(立食)がついた大々的な投資説明会でした。

「いや~、予算のないときはダダでやらせて、予算がついたらスルーして他(コンサル会社)に頼むとは思ってもみなかったですよ~」と、Kさんはこのときのことを笑って話します。

「そういうの、日本人的には裏切りだよ。中国人は、『井戸を掘った人を忘れない』どころか『狡兎死して走狗烹らる』(必要なときだけ酷使して、いらなくなればばっさり捨てる)なんだよね~。日本人は、『井戸を掘ったのは日本』なんて思っているけど、尖閣の反日暴動のとき、パナソニックの工場が襲撃を受けて、『井戸を掘った人を忘れない』なんて美辞麗句にしか過ぎないことがよくわかったよね」とウチの番頭(って、本日の著者)。

「友好」にだまされて後で地団駄を踏まないために

中国人には、恩を忘れないように、恩を忘れても、「井戸を掘った人だけは忘れられない」ように最初から仕組んでおく必要があります。

で、一番大事な部分は自分たちで握っておかなければなりません。井戸を掘った人を忘れたら、即、その大事な部分ごと撤収できるよう、相手の中枢を消去できるよう、巧妙に、したたか~に。口では友好、心では騙し合い。面子を重んじる中国人は、表向き善意で接してくる相手をあからさまに否定することはできません。お互い、騙し合いでいいのです。智慧比べとも言います。より多く、よりうまく騙せたほうの勝ちであって、中国ビジネスでは、心底相手を信じてしまったが最後、井戸を掘った人は、その井戸の底に蹴り落とされることにもなりかねませんので、ご用心を。

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