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いいかげんなくせにどうでもいいことにはこだわる人民気質 日本人が中国でするサインのお話 May 23, 2015 (Sat)

ニュースを目にするたびに、中国にはがっかりさせられっぱなしですが、中国がヘンなのは、銀行や役所も同じです。

たとえば。中国では、会社設立してから資本金を払い込むという順序になります。送金後、さらに現地銀行で手続があるのですが、5年半前、ウチの現地法人設立の際、自分の名を当然のことながら「加藤麻里子」(中国語でも日本の漢字と同様です)と書いたワタクシに、銀行担当者がいちゃもんつけます。

こだわるなら本質的なことにこだわって欲しい

「あなた(法定代表人)の名前はKATO MARIKOだから、そう書くよーに」と。

「んなこと言ったって、あたしの名前は加藤麻里子だもん」

「パスポートにはKATO MARIKOと書いてあるでしょーが」

「それは、世界中の人が読めるようにそう書いてあるだけで、ふりがな=中国で言うところのピンインであって、私というものを限定する名前=戸籍の名前は加藤麻里子なんですけど。ほら、サインだって加藤麻里子でしょう」

「だめよ、KATO MARIKOと言ったらKATO MARIKOよ」という傲慢さ。

加藤も引きません。設立登記申請の際も、工商局のウソ情報でさんざん振り回され、その後の外貨管理局も怠慢で、そういった経験から、中国では、役人の言うことでも鵜呑みにしてはいけない、疑ってかかる・吠えるぐらいでちょうどいい、と深く学んだのです。

埒が明かなくて困っていたところ、ちょうど顧問契約を結んだ会計事務所の職員男性が、掛け合ってくれます。そして、彼の熱心な交渉の結果、日本語と英語並列表記ということで解決を見たのでした。

字面にこだわるのは後進性の表れ(日本のお役所もそうでしたが)

両替の際など、アルファベットを併記しろという銀行の支店もあります。そういうこともあって、お客さんの手続では気をつけています。いま手がけている企業では、法定代表人となる人のパスポートのサインは英語なのですが、サインはパスポートと同様のものがベストなのでそうしてもらい、さらに漢字を併記してもらいました。

だって、ひらがなの名前や横文字の名前も無理やり漢字にしてしまう国ですからね。現地法人の商号は「漢字」以外不可と、法律で決まっていますし。たとえパスポートどおりであっても安心ならないと思い、念のため漢字名を書いてもらったのでした。

さすがに、日本語漢字のサインを簡体字で書けとは言わないようですが。

「そーいえば」とウチの番頭。

俺はニホンジンだけど

かつて、彼が出国カードに、当然のごとく漢字で名前を書いて出したところ(だって、そのお国はアルファベットの国ではなく、漢字の国ですからね)、太った担当官が指差して叫びます。

「ローマ人、ローマ人!」

はぁ~?なに言ってんの?この人。ローマ人って、なんのことさ?ウチらニホンジンだよ。

「ローマジーン!」

「あ~!わかった。ローマ字で書けって言ってるんだよ」と番頭。

この一件で、中国(漢字の国)であっても、ローマ字で入出国カード書かなくちゃいけないと深く学んだ番頭でした。

つづく