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ジモティーの勧め 騙されたつもりで、中華コミュニティーの一員になってみる August 24, 2013 (Sat)

現地法人のローカル化は自分から

中国を内側から眺めていますか? 日本人村からではなく、中国社会に入り込んで。フツウの人と広くつき合っていますか? 政府トップや取引先や一部のハイソな人たちとだけでなく、なんでもない人たちと。ときには中国人と同じように行動してみたり、中国人になったつもりで自由に街を歩いていますか? 日本人とではなく、ひとりもしくは中国人と一緒に。赴任地域のジモピーあるいはジモティーを名乗れますか? 現地コミュニティーであなたの顔を知る中国人はどれだけいますか?

現地法人を現地化する、ローカル化するというのは、結局、そういうことです。中国人とコミュニケーションする、中国の商習慣に入り込む、中国人と渡り合う、中国人を使いこなす、反日や有事から身を守る・・・みな同じところに根ざしています。

以前、出張で訪れたミャンマーでお会いしたJICAの方。ミャンマーの民族衣装である「ロンジー」に、これまた現地男性の定番スタンドカラーのシャツ、日に焼けた肌、現地スタッフと和気藹々と話す姿は、どこから見てもミャンマー人。ローカライズとか、郷に入りては郷に従うとはこういうことなのかと、感動さえしました。

駐在大使に不可欠な資質のひとつは、「任地への愛着を持てること」だそうです。「その国に詳しいかどうかではなく、好きになれるかどうか」。興味深い言葉です。

肩の力を抜いて現地人になってみる

三菱電機社長の山西健一郎氏。半導体生産工場の改善に取り組むべく、製造部長として赴任した際、「部長はなにもわかっていない」と従業員の反発を受け、彼らの本音を聞こうと、お酒やマージャンの席に加わりつき合いを深めたそうです。そして、現場が納得することで改革が進んだのだそうです。

日本人は、中国に駐在する、中国で仕事するといっても、たいていは、外側のごく狭い世界から現地を眺めています。日本租界という殻に閉じこもりつつ、どこかでこの国を見下しています。中国でビジネスさせてもらっていながら、相手と同じ目線に立って見ようとはしません。それが、日本の中国ビジネスの可能性を狭めています。知り得る中国も限られてきますし、現地が心を開いてくれるはずもないのです。

器も肩書きも取っ払った個の自分になって、ローカルに入り込んでみる。行く先々で自分から話しかけてみる。現地従業員にも、地域の人たちにも。それ自体を楽しんでみる。騙されたつもりで試してみてください。必ずなにかが変わります。なにか見えてくるはずです。