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消費から離れた日本の若い世代―縮む日本経済の原因 May 14, 2015 (Thu)

2015年4月22日のAsahi Shimbun Digital ANDの「イチ押し週刊誌」では、週刊ポスト(小学館)2015年4月24日号の記事「アベノミクスで買い物をやめた『30代』」をとりあげています。

曰く、「消費税引き上げから1年以上となるが、個人消費が戻らない。自動車関連支出について前年同期と比べると、1ヶ月あたりで、30歳代は約5,000円の減少。30歳代は、不動産、自動車、子ども関連など消費が最も多くなる世代であるはずが、将来の見えない不安から節約を行っている。よって、安倍首相の景気回復は眉唾である」という趣旨。

こんなブログがあります。2012年11月5日のhttp://sakaiosamu.com/「ぼくたちはどうして消費に冷めてしまったのだろう(あるいは、なぜあんなに消費が楽しかったのだろう)」という記事です。

ブログの主 境治氏は、テレビCMが効かなくなってきたことへの分析を試みます。「かつて、テレビCMが効果的だったのは、消費に前向きだったから。というよりも、生きるからには消費が当たり前で、消費しない生活なんてありえないと誰もが思っていた。しかし、リーマンショックと東日本大震災が消費への意欲を喪失させ、消費など、どうでもよくなってしまった。むしろ、未だ外車に乗り、新宿の百貨店で買い物をすることを軽蔑するようになった。消費にシラけている今、CMが効力を失うのは当然だろう」と論じています。

本稿の筆者が、共感を覚えるのは境氏の分析です。アベノミクスが消費を失わせたなんて、結論ありきで皮相的、というのが筆者の感想。

古い話。ナンパの道具・六本木のカローラといえばBMW3シリーズ、金もないのに見栄を張って小ベンツを60回払いで買う、軽自動車に乗る男は男にあらず、そんな時代を筆者は知っています。

ご覧なさい、昨今のカップル、軽自動車に仲良く乗って楽しそうにしているではありませんか。

物が行きわたれば、消費に興味がなくなるのは、お腹がいっぱいのときはおいしそうな料理に食指が動かないのに似ています。物がない時代に育った世代には、消費は消費自体が憧れであったとしても、物が豊かな時代に育った世代には、自動車も家電もとっくに陳腐化した日用品でしかありません。日本の若い世代は、消費したくともがまんして節約しているのではなくて、消費自体から遠ざかっているのではないかな、豊かさの先は消費ではなくて、もっと内向きで小さな幸せを志向しているのではないかな、と感じるのです。