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目の前にぶら下がった「元」ナマ命、十年先が見通せない中国人 July 23, 2013 (Tue)

とにかく目の前の現金が大事なのだ

中国では、新規賃貸契約の際、通常、家主が不動産屋に1ヶ月分の仲介手数料を支払います。ですから、店子が毎年入れ替わるとなりますと、家主は毎年1ヶ月分の損失です。ところが、中国人にはこの損失が計算できません。いえ、トータルで損してもかまわないから毎月の現金が増えることを採る、それが中国人です。

毎年家賃を値上げしてくる欲張り家主。更新拒否したらどうなるか?新しい店子と契約を結ぶとなると、まずそこで1ヶ月分の損失です。そして、募集広告を出し、新しい借主を入居させるまでのロスを考えると、そこでも1ヶ月分の損失。さらに、更新時期が春節にかかりますと、さらに1ヶ月分の損失。春節前に契約する企業などないからです。

家賃据え置きでウチと友好的に更新契約しておけば、その損失は防げます。けれども、欲張り家主はそれでもかまわないと言って譲りません。彼らにとって大事なのは、中期安定的利益ではなく、100元でもいいから家賃を上げることなのです。

中国では上も下も目の前しか見えなかったりする

先が見通せないのは、欲かき家主だけではありません。政府役人も同様です。

たとえば・・・日系企業の投資案件。役人はすかさず聞いてきます。「ところで、投資額はいくら?」呆れてものも言えません。「こんなご時世に進出してくれる日系は神様でしょーが!」心の中で叫ぶ加藤。

投資額の大小ではなく、この時期に進出してくれる日系企業を大切にすれば、その1社が他の日系を呼び込むことにつながり、派生し、連鎖し、やがてはその地域にとっても大きな利益を生み出す可能性は大です。そんなカンタンな、日本人にとってはごく当たり前の発想が中国人には通じません。

ヨッシャー!とガシガシがんばれるのは、目の前にニンジンがぶら下がったときだけ。これじゃ、馬と同じです。十年先のより大きな利益をイメージして、それをモチベーションに、コツコツと忍耐強く努力を積み重ねるという地道なことができない。努力する意味すらわからない。それが中国人というものなのです。