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勇気百倍・元気の出るWEBLOG
中国では、会社設立登記も外資の口座開設も許認可制です。日本では、資本金を振込んでから会社登記手続という手順になりますが、中国では逆です。設立登記時には「登録資本○○万元」と表記されるだけで、実際にはまだ振り込まれていません。外資では、登記が完了し、外貨管理局の許可が出て、さらに銀行の口座開設許可が出た後に資本金を国外から送金します。実際に振り込まれた額を「実収資本」と呼び、営業許可証には「登録資本」「実収資本」の双方が記載されています。
設立時には、会社は基本口座(人民元)と資本金口座(外貨)を持つことになりますが、資本金口座開設にあたっては、銀行に事前相談が必要です。ウチは外資としては最低の資本金で設立しましたので、(しけた客だと)銀行が渋ったのですが、無理やりお願いして突破しました。同じ中国銀行でも、建外SOHOの別支店のほうが親切だと後からわかったのですが、銀行は日常業務ですので、近いことは大事です。ウチがそこにしたのも、オフィスから一番近い銀行だったからです。中国銀行にしたのは、東京に支店があるからです。
会社の銀行業務は窓口処理が主となります。振込や送金、引出には、財務印と法人(代表)印が必要です。そして、なにがタイヘンって、年号や金額をすべて大写(大字)で書かなければならないことです。日本とは漢字が違うだけでなく、年号や日付と金額では表記の仕方が異なります。それだけでもタイヘンなのに、ひとつでも書き損じたら初めからやり直しです。ペンペンって二重線で消して訂正印してもダメです。なにごともいいかげんでズボラなくせに、こういうことにはやたらとうるさいのが中国です。
そして、中国の銀行は、一般にとてもいばっています。役所同様、お客さんは下々の者です。特に「公司業務」窓口は不親切です。最近では慣れましたが、加藤はしばらくの間、銀行業務が一番イヤかつ最もハードルが高いと感じていました。不親切に加えて、窓口は刑務所のごとく天井までのついたてで遮られていて、これが意思疎通を邪魔するのです。
公司業務窓口で他の日本人を見たことは一度もありません。銀行業務は中国人財務担当に任せるのが普通です。加藤が自分で試みてきたのは、なにごとも経験だと思ったからです。
窓口の言うことを即理解できなければ馬鹿にされますから、腹も立ちますし、メゲます。それでも、しつこく通い、食い下がるうちに、顔も覚えられ、だんだんと親切になってきて、バイバイと手まで振ってくれるようになりました。そもそも、馬鹿にされてもちっとも気にすることはないのです。だって、窓口では、中国人だって言い合いしたりメゲているのはしょっちゅうですから。なにごとも、メゲたところからが本番というわけです。